自分では気付かず、人に指摘されることも多い「いびき」。

騒音として周りに迷惑が掛かるだけなら良いですが、睡眠時無呼吸症候群も併発していると質の良い睡眠が取れていない状態です。

 

いびきの原因は鼻づまりや肥満、扁桃腺の肥大など人それぞれ違うため、原因に応じた治療が必要になってきます。

いびきは手術をすれば改善するのですが、どんな手術があるのかネットなどで探してみても専門用語ばかり並んでいて難しいと感じませんか?

 

ここでは、いびきを解消するための手術について素人でも分かりやすく解説していきます。

自分のいびきが、どの手術に適応するのか参考にしてみてくださいね。
 

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「鼻いびき」か「喉いびき」かで治療や手術の方法が異なる

いびきの原因はたくさんありますが、大きく分けて「鼻いびき」と「喉いびき」の2種類あります。

鼻いびきなら鼻の治療を、喉いびきなら喉(扁桃線など)の治療をすることで、いびきが解消されるのです。

 

自分のいびきがどちらか分からない場合は、病院で診断してもらった上で症状に合った手術法や治療法を選択しましょう。

 

鼻いびきの場合の治療・手術方法

鼻いびきの原因は、「鼻づまり

鼻が詰まることによって空気の通り道が狭くなり、いびきをかいてしまうのです。

 

しかし、風邪・アレルギー性鼻炎(花粉症など)・副鼻腔炎(ふくびくうえん)・鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)など、人それぞれ細かい原因は違ってきますよね。

風邪は一時的なものなのですぐに解消されるでしょうが、他の症状では治療や手術が必要な場合も。

 

副鼻腔炎

副鼻腔と呼ばれる顔にある空洞部分の粘膜が、細菌やウイルスに感染して炎症を起こすこと。

炎症を起こして粘膜が腫れることで、空気の通り道が狭くなり鼻が詰まってしまうのです。

 

急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」があり、急性のものは風邪を引いたときなどに一時的に現れる症状なので1ヶ月以内に治ります。

しかし、慢性副鼻腔炎は症状が3ヶ月以上続き、「蓄膿症(ちくのうしょう)」や「中耳炎」など他の病気も併発することもあるので早めに治療をしましょう。

 

鼻中隔湾曲症

左右の鼻の穴を分けている鼻中隔と呼ばれる壁が、曲がってしまっている状態。

誰しも多少の湾曲はありますが、治療が必要な人は下の図のように曲がり具合が酷く、空気の通り道を塞いでしまっている場合です。

出典:excite blog

誤解されることが多いですが、顔を正面から見て鼻筋が曲がっているのは鼻中隔湾曲症ではありません。

鼻中隔は鼻内部の組織なので、外から曲がっているのが見える訳ではないため外見だけでは判断できないのです。

 

では、このような症状によって引き起こされるいびきは、どのような手術をすれば改善されるのでしょうか。

 

鼻中隔矯正術

鼻中隔湾曲症によって鼻腔(鼻の穴)が狭くなっている場合は、鼻中隔矯正術によって治療します。

この手術は、曲がって鼻の穴を塞いでしまっている軟骨や骨を切除することで、空気の通り道を確保していびきを改善させる方法です。

 

①鼻中隔粘膜を切開して、曲がっている軟骨や骨を露出させる

出典:耳鼻科医の診察日記

 

②余分な軟骨や骨を切り取ったら、鼻中隔粘膜を縫合する

出典:耳鼻科医の診察日記

 

局所麻酔か全身麻酔によって手術し、術後は止血するために鼻の穴にスポンジやガーゼを入れる必要がありますが、数日で外せます。

 

粘膜下下甲介骨切除術

鼻の中には鼻甲介(びこうかい)という骨の隆起したものがあり、上から上鼻甲介・中鼻甲介・下鼻甲介の3つに分かれています。

出典:耳鼻科医の診察日記

 

この中でも一番大きい下鼻甲介が腫れると、空気の通り道が狭くなり鼻づまりを起こす原因に

アレルギー性鼻炎で、鼻づまりが特に酷いという人に効果が高い手術です。

 

粘膜下下甲介骨切除術(ねんまくかかこうかいこつせつじょじゅつ)は、肥大した下鼻甲介を切除することで鼻づまりを解消する方法。

出典:耳鼻咽喉科いぐちクリニック

上の図では、鼻中隔矯正術も同時に施術して、左右の下鼻甲介が切除されたことによって空気の通り道が広くなったことが分かりますよね。

 

この手術も術後は、出血を防ぐために鼻の穴にガーゼやスポンジを詰めておきます。

全身麻酔で1泊2日の入院をすることが多いでしょう。

 

粘膜焼灼術

先ほど説明した粘膜下下甲介骨切除術よりも簡単な方法で、下鼻甲介を縮小させる治療です。

病院によって違いますが、高周波やレーザーを下鼻甲介に照射して焼きます

出典:たなべ耳鼻咽喉科

治療は処置だけなら5~10分ほどで日帰りの治療になりますが、効果は永久的なものではありません。

ワンシーズン~3年ほどで効果は消失しますが、何度でも再施術可能なので花粉症などの治療にも向いています。

 

レーザーに比べて高周波を使用する方が、焼き過ぎを防ぐことができるので術後の合併症のリスクも少ないでしょう。

手術後はかさぶたが出来ますが、2週間ほどで取れます。

 

後鼻神経凍結手術

粘膜焼灼術と組み合わせてすることも多いのが、後鼻神経凍結手術(こうびしんけいとうけつしゅじゅつ)。

 

後鼻神経とは?

後鼻神経とは鼻の奥の蝶口蓋孔と呼ばれる骨の穴から鼻腔に入ってくる神経で分泌神経と知覚神経を含んでおり、鼻水の8割、くしゃみの3~5割はこの神経が関与していると言われている。アレルギー性鼻炎や温度変化に反応する鼻過敏症などではこの神経が過敏に反応してくしゃみ、鼻汁の症状をひきおこすことは以前から知られており、この神経を人並みに鈍感にすることによって鼻の症状が改善される事もわかっていた。

引用:ウィキペディア

簡単に言うと、後鼻神経が敏感になることでアレルギー性鼻炎の症状が現れるため、この神経を鈍感にすることで鼻水などの症状を和らげる施術です。

 

後鼻神経凍結手術では、後鼻神経を粘膜の上から低温で冷やして変性させることで鈍感にします。

 

出典:岩野耳鼻咽喉科サージセンター

 

治療時間は5~6分と短時間で腫れや出血もありませんが、術後に神経に対しての刺激痛が起こることも。
しかし、鎮痛剤を飲めば治まる程度なので、心配する必要はないでしょう。

 

神経を切断する訳ではないため、軽度の症状の場合や花粉症などワンシーズンのみの改善を期待する人に向いている治療法です。
 

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喉いびきの場合の治療・手術方法

喉いびきの主な原因は、喉の奥が狭まってしまうことですが、鼻いびきと同様に原因は様々です。

  • 肥満により喉の脂肪までも厚くなっている
  • 顎が小さいために舌の根元が喉に落ち込んでしまう
  • 扁桃腺や口蓋垂(こうがいすい)など喉にある器官が肥大するため

 
どの症状も喉が狭くなるため、空気の通り道である気道も狭くなってしまい、いびきを引き起こしてしまうことに。

 

では、どのような治療法で喉いびきが改善されるのでしょうか?

扁桃摘出術

のどちんこの両側にあるリンパ組織の扁桃腺が肥大すると、喉の空気の通り道が狭くなります

大きくなり過ぎた扁桃腺を切除するのが、扁桃摘出術(へんとうてきしゅつじゅつ)です。

出典:扁桃腺 手術方法

 

扁桃腺は見えている部分だけではなく、肉に埋まっている所まで切除するため術後は穴が開いた状態になりますが、時間と共に自然に塞がります。

また、手術は全身麻酔でやりますので1週間程度の入院が必要です。

 

アデノイド切除術

アデノイドとは、咽頭扁桃(いんとうへんとう)とも呼ばれる喉の奥にあるリンパ組織

出典:アデノイド顔貌、ゴボ口、口ゴボ総まとめ!!これさえ読めばすべて分かる

 

口を開いて覗いてみても目視できないので、医療機関で肥大しているかどうかの判断が必要です。

アデノイドは、3歳~6歳の幼児期に一時的に肥大するのですが、成長すると共に次第に小さくなるのが通常。

しかし、幼児期に炎症を繰り返すなどして小さくならなかった場合、肥大したアデノイドが原因で睡眠時に呼吸しづらくなり、いびきの原因になることがあります。

 

アデノイド切除術は、肥大したアデノイド専用の機器で削る取る手術。

出典:耳鼻咽喉科 老木医院

 

全身麻酔なので、術中の痛みを伴うことはありません。

子供のうちに施術することが多く、大人になってからアデノイド切除術をすると、炎症を繰り返して癒着している可能性があるので手術が難しくなることもあります。

そのため、この症状が見られる場合は子供のうちに施術するように勧められます。

 

成人してからアデノイド肥大が気になる場合も、できない訳ではありませんので医師に相談してみましょう。

 

レーザーでの口蓋垂口蓋形成術

口蓋垂口蓋形成術(こうがいすいこうがいけいせいじゅつ)は、もともと口蓋垂が長い人や軟口蓋(なんこうがい)の位置が通常より低い場所にある人に有効な手術。

 

※口蓋垂はのどちんこ

※軟口蓋は喉の上部にある柔らかい部分

 

下の図のようにレーザーによって、口蓋垂(のどちんこ)の下半分と軟口蓋を切り上げることで、喉を広げます。

出典:日帰りが可能な「いびきのレーザー手術」 その費用や注意点など

レーザーの照射時間は10分~15分程度で局所麻酔によって治療しますが、術後は喉風邪を引いたときのような痛みが1~2週間続くでしょう。

出血も少なく入院する必要がないため、身体の負担も軽く済みます。

 

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術

先ほど説明したレーザーでの治療は、喉の左右にある扁桃腺を焼き切ることはありません。

この口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(こうがいなんこうがいいんとうけいせいじゅつ)は、のどちんこ(口蓋垂)・扁桃腺・軟口蓋を切除する方法です。

出典:睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気

 

睡眠時無呼吸症候群の治療にも用いられる手術で、全身麻酔で施術します。

術後は傷が治るまで、喉の痛みが酷く鼻声になるなどの症状が出たり、場合によっては飲み物を飲むと鼻から逆流してしまうことも。

 

1週間~2週間ほどの入院が必要ですが、気道を確実に広げることが出来ます。

 

CPAPの適応

CPAP(シーパップ)は、鼻から一定の圧力をかけた空気を送り込み気道を広げることが出来る機器。

出典:The CPAP Shop

 

無呼吸の場合は気道が開いていない状態ですが、CPAPを使用すると送り込まれた空気によって気道が確保されるので、正常時の呼吸をすることが出来ます。

出典:きたはら耳鼻咽喉科

 

副作用はありませんが、以下のような症状が原因でCPAPに慣れるまでに時間がかかる方もいるようです。

 

  • ファンを使用して空気を送り込むため騒音で眠れない
  • 常に風が入ってくるので、喉や鼻が乾く
  • マスクを締め付けすぎて痛い

 

CPAPのメリットは、装着したその日からいびきや睡眠時無呼吸症候群が改善されること。

ハンドバッグくらいの大きさなので、旅行などに持って行くことも出来ます。

使ってみたい場合は、一度病院で相談してみてくださいね。

 

まとめ

  • いびきには「鼻いびき」と「喉いびき」があり、どちらも気道が狭くなることが原因
  • それぞれの症状に応じた手術をすれば、いびきが改善される
  • 自分のいびきの原因が分からない場合は、耳鼻咽喉科などの病院で診てもらおう

 

いびきは騒音だけではなく、寝ている間に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」も引き起こします。

「ただのいびき」だと甘く見ないで、一度病院で治療を受けてみてはいかがでしょうか。

 

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